「……お子が授かれないというのは、とても、辛いことなのですね」
「アーリックと貴族、立場は違えど血を大切にすることは同じです。気持ちを分かってくれたのでしょう。……何もかもが無駄に終わり、落胆していた私に、クレアのお母様が仰られたわ。産まなければいけないという重圧が、受胎の邪魔をしているのだろうって」
重圧という言葉に、ドキッとした私は無意識にお腹のあたりを擦っていた。脳裏をかすめるのは、継母の言い放った私の役目。
侯爵家ともなればその責務と重圧はなおのことだろう。ロックハート家ともなれば、どこぞの骨とも知らない養子を迎える訳にもいかなかったのだろう。その重圧と比べて、私に課せられた役目は、なんて小さいのだろうか。
私はどんな顔をしてローゼマリア様を見たらいいか分からず、視線を肖像画へと移した。


