まさか、手を引かれて歩くことになるとは思っていなかった。その手を払うことも出来ず、私は侯爵様についていき、そっとその表情を窺った。
とても楽しそうで、私の視線に気付いたらしい侯爵様は、こちらを見て慈愛に満ちた微笑みを浮かべた。
「お茶の前に、ヴェルヘルミーナへ贈り物をしたいの」
「えっ!? そ、そんな、私なんかに」
「そんな謙遜しないで。貴女がお嫁さんに来るのを困っていることくらい想像つくのよ」
「……それは」
「大丈夫。貴女もお家も、家族も、ロックハートが守ります」
きゅっと手が握り締められた。まるで、この手を離さないというように。
「私の思いを分かってもらうためには、贈り物が一番だと思うの! お話をする前に、見てもらいたいわ。今日のために揃えたのよ」
「揃えた?」
不思議な言葉に首を傾げた私に、侯爵様は無邪気に微笑んで「見るまでのお楽しみよ」といった。
そうして連れてこられた部屋の前で、お屋敷の侍女たちが仰々しく扉に手をかける。
とても楽しそうで、私の視線に気付いたらしい侯爵様は、こちらを見て慈愛に満ちた微笑みを浮かべた。
「お茶の前に、ヴェルヘルミーナへ贈り物をしたいの」
「えっ!? そ、そんな、私なんかに」
「そんな謙遜しないで。貴女がお嫁さんに来るのを困っていることくらい想像つくのよ」
「……それは」
「大丈夫。貴女もお家も、家族も、ロックハートが守ります」
きゅっと手が握り締められた。まるで、この手を離さないというように。
「私の思いを分かってもらうためには、贈り物が一番だと思うの! お話をする前に、見てもらいたいわ。今日のために揃えたのよ」
「揃えた?」
不思議な言葉に首を傾げた私に、侯爵様は無邪気に微笑んで「見るまでのお楽しみよ」といった。
そうして連れてこられた部屋の前で、お屋敷の侍女たちが仰々しく扉に手をかける。


