不安を胸に抱きながら、馬車の窓から街中を覗く。目についたのは仲睦まじく微笑む男女の姿だった。
ヴィンセント様が、あんな風に微笑まれる方だといいのだけど。
脳裏に、にこりとも笑わない生真面目なお父様の顔を浮かべ、再びため息を零してしまった。
「ヴェルヘルミーナ様?」
「幸せな夫婦とは、どういったものなのかしら……」
「あまり難しく考えずともよろしいかと」
「嫁ぐのであれば、妻の役割というものがあるわ」
「そうですが、ヴィンセント様は女性に全く興味がないとの噂です。危険魔獣討伐の最前線に赴かれる死にたがり、という噂まである変わった御仁です」
「ダリア……その噂は、殿方の前では決して口にしない方が良いと思うわ」
「こういった秘密の話は、ヴェルヘルミーナ様にしか話しませんので、ご安心を」
ふっと笑ったダリアは、握っていた私の手をそっと放した。
ヴィンセント様が、あんな風に微笑まれる方だといいのだけど。
脳裏に、にこりとも笑わない生真面目なお父様の顔を浮かべ、再びため息を零してしまった。
「ヴェルヘルミーナ様?」
「幸せな夫婦とは、どういったものなのかしら……」
「あまり難しく考えずともよろしいかと」
「嫁ぐのであれば、妻の役割というものがあるわ」
「そうですが、ヴィンセント様は女性に全く興味がないとの噂です。危険魔獣討伐の最前線に赴かれる死にたがり、という噂まである変わった御仁です」
「ダリア……その噂は、殿方の前では決して口にしない方が良いと思うわ」
「こういった秘密の話は、ヴェルヘルミーナ様にしか話しませんので、ご安心を」
ふっと笑ったダリアは、握っていた私の手をそっと放した。


