今度も、取り返す。失ってなるものかという思いを胸に、必死に手を伸ばした。
私の手首を継母の手が掴んだ。
柔らかい肌に赤く塗られた爪が食い込み、ピリリと痛みが走る。
「行きますよ」
冷たい言葉とともに、乱暴に引き寄せられる。
まるで重たい荷物を引っ張るように引きずられ、つま先が地面に突っかかった。もつれるようにして足を踏み出し、慌てて後ろを振り返る。
「お継母様、お願いです。あのハンカチは……!」
赤い薔薇の刺繍があしらわれた白いハンカチは、まるで蝶のように青空に翻る。
手を伸ばしても、もう届きそうになかった。
目の奥が熱くなるのを感じ、唇を噛みながらハンカチを目で追う。
どうにか、どうにか取り返したい。嫌だ。あれは、お母様の大切なハンカチよ。大切な、私の宝物なの。
諦めきれずに目で追い続けたけど、背丈の低い私は、すぐにハンカチを見失ってしまった。
私の手首を継母の手が掴んだ。
柔らかい肌に赤く塗られた爪が食い込み、ピリリと痛みが走る。
「行きますよ」
冷たい言葉とともに、乱暴に引き寄せられる。
まるで重たい荷物を引っ張るように引きずられ、つま先が地面に突っかかった。もつれるようにして足を踏み出し、慌てて後ろを振り返る。
「お継母様、お願いです。あのハンカチは……!」
赤い薔薇の刺繍があしらわれた白いハンカチは、まるで蝶のように青空に翻る。
手を伸ばしても、もう届きそうになかった。
目の奥が熱くなるのを感じ、唇を噛みながらハンカチを目で追う。
どうにか、どうにか取り返したい。嫌だ。あれは、お母様の大切なハンカチよ。大切な、私の宝物なの。
諦めきれずに目で追い続けたけど、背丈の低い私は、すぐにハンカチを見失ってしまった。


