継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします

 魔術アカデミーでも常に上位の成績を修めていたお姉様。同時に家の政務も行っていたんだもの、王城でも王子妃として、しっかりと役目を果たせるだけの実力を持っているのよね。私には同じことなんて無理だろうけど……

「……私も役目を果たさないと」

 継母の、無能な子を作れという言葉が脳裏に浮かんだ。勿論、それは私の役目なんかじゃない。レドモンド家を守ることが第一の役目よ。

 お姉様の働きに比べたら、なんてことないわ。そう、自分に言い聞かせても、緊張で胸が締め付けられる。

「ヴェルヘルミーナ様、あの女の戯言などお忘れください」
「あの女って……」

 いくら馬車の中にいるのが、二人だけとはいえ、思い切ったことを言ったものだ。思わずダリアの顔をまじまじと見てしまった。