継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします

「どうして、私なのかしら? 社交界に一度も出ていないのよ。顔だって知られてないわよ」
「何か訳があるのかもしれません。ですが、こちらとしては渡りに船ですよ」
「そうかしら……いくら、我が家から第三王子妃を出したとはいえ、ペンロド公爵家の家門に変わりはないのよ。火種になるんじゃない?」
「諸侯の中でも、ミルドレッド様の評判は上々です。ロックハート侯爵様だけでなく、フォスター公爵夫人との交流も持たれているとお聞きしました」

 さらに、ペンロド公爵家に連なる良家の婦人とも交流まで持っているそうだ。お姉様の立場はまるで、二つの公爵家を橋渡しするようだとか。それだけでなく、対立する第一王子と第二王子の緩衝材ともなっているとか。さらに夫婦円満で、第三王子の溺愛ぶりがすごいともっぱらの噂だ。

 社交界に出ていない私のところにも伝わってくるくらい、お姉様の評判は素晴らしいものだ。

 私の不安を拭おうとするように、ダリアはお姉様の頑張りようをつらつらと話すけど、だからこそ、私が汚点を作るわけにはいかないのよ。