「先々代までは各地の商会と取引をしていたとお聞きしてますが」
「そうね。家業を仕切っていたお母様が体を壊して倒れたことは大きかったわ」
父が代わって取引を進めたが、商売に不慣れだったことも影響して次第に販路を失い、没落の危機を迎えた。そんな我が家を助けて下さったのが、ペンロド公爵夫人だった。だから、我が家はペンロド家に頭が上がらないわけだ。
カップの底に残る僅かな紅茶を見つめ、私はペンロド夫人と継母の後ろ姿を思い浮かべた。
夫人からのお手紙が増えのは、継母がこの家にやってきてからだ。それを、お父様は渡りに船だと言っていた。ペンロド家がさらに後ろ楯となってくれる。そう思ったのかもしれない。
それからお父様は、家にいることがほとんどなくなったのよね。だから、お父様に代わってミルドレッドお姉様と、ダリアのお父様であるデール子爵が家業を取り仕切るようになっていった。
商会との取引って大変なんだと、幼かった私でも分かるくらい、当時、家の中は混乱していた。
「そうね。家業を仕切っていたお母様が体を壊して倒れたことは大きかったわ」
父が代わって取引を進めたが、商売に不慣れだったことも影響して次第に販路を失い、没落の危機を迎えた。そんな我が家を助けて下さったのが、ペンロド公爵夫人だった。だから、我が家はペンロド家に頭が上がらないわけだ。
カップの底に残る僅かな紅茶を見つめ、私はペンロド夫人と継母の後ろ姿を思い浮かべた。
夫人からのお手紙が増えのは、継母がこの家にやってきてからだ。それを、お父様は渡りに船だと言っていた。ペンロド家がさらに後ろ楯となってくれる。そう思ったのかもしれない。
それからお父様は、家にいることがほとんどなくなったのよね。だから、お父様に代わってミルドレッドお姉様と、ダリアのお父様であるデール子爵が家業を取り仕切るようになっていった。
商会との取引って大変なんだと、幼かった私でも分かるくらい、当時、家の中は混乱していた。


