「子爵家では心もとないですし、男爵家はもってのほか。どこも、お嬢様をお嫁に欲しいといいますが、ここの領地を狙ってのことでしょう。となれば」
私へ届いた手紙の中から、子爵家、男爵家のものをダリアは引っ張り出して脇に置いていく。
最後、その手に残ったのは、たった一通だ。
「やはり、ロックハート家が最良でしょう」
「だから無理よ。お継母様が許さないわ」
そう告げれば、ダリアは小さく舌打ちをした。時々、ものすごくガラが悪くなるのよね。私以外には見せない姿だけど、この淑女らしからぬ態度、いつか誰かが見るのではと心配でならない。
「ご縁談は難しいとしても、ロックハート家とは懇意にすべきだと思います」
「でも、ロックハート家はフォスター公爵家の家門よ。あまり深入りしたら、ペンロド公爵夫人の怒りを買う可能性もあるわ」
ロックハート家から届いた手紙を見て、私は小さくため息をついた。
貴族社会というのは、どうしてこうもややこしいのだろうか。
私へ届いた手紙の中から、子爵家、男爵家のものをダリアは引っ張り出して脇に置いていく。
最後、その手に残ったのは、たった一通だ。
「やはり、ロックハート家が最良でしょう」
「だから無理よ。お継母様が許さないわ」
そう告げれば、ダリアは小さく舌打ちをした。時々、ものすごくガラが悪くなるのよね。私以外には見せない姿だけど、この淑女らしからぬ態度、いつか誰かが見るのではと心配でならない。
「ご縁談は難しいとしても、ロックハート家とは懇意にすべきだと思います」
「でも、ロックハート家はフォスター公爵家の家門よ。あまり深入りしたら、ペンロド公爵夫人の怒りを買う可能性もあるわ」
ロックハート家から届いた手紙を見て、私は小さくため息をついた。
貴族社会というのは、どうしてこうもややこしいのだろうか。


