返答に困って押し黙ると、ダリアは小さくため息をついた。
「お嬢様、ご縁談の話がいつまでも来ると思ってはいけませんよ」
「……その言葉、そっくりダリアにお返しするわ」
「私は、一生ヴェルヘルミーナ様をお守りすると誓いましたので」
「結婚しても、私に仕えることは出来るでしょ?」
「お嬢様の助けとなれる縁談であれば、応じましょう」
「そうじゃなくて!」
思わず声を荒げ、すぐに深く息を吐いた。
ダリアは本当に頑固だわ。
「結婚だけが幸せとも限りません。私は、こうしてヴェルヘルミーナ様にお仕え出来ることが一番の幸せなのです」
「……だったら、私も、セドリックがこの家に戻るまで、ここを守ることが幸せよ」
「家を守るための後ろ盾を手に入れ、かつ、良き伴侶を得られれば、最善ではありませんか?」
お茶会の誘いが綴られているだろう手紙の束を、扇子のように広げたダリアはにこりと笑った。
「……そうね。後ろ盾とするなら、伯爵家かそれ以上の爵位をお持ちの家でなければならないわね」
「お嬢様、ご縁談の話がいつまでも来ると思ってはいけませんよ」
「……その言葉、そっくりダリアにお返しするわ」
「私は、一生ヴェルヘルミーナ様をお守りすると誓いましたので」
「結婚しても、私に仕えることは出来るでしょ?」
「お嬢様の助けとなれる縁談であれば、応じましょう」
「そうじゃなくて!」
思わず声を荒げ、すぐに深く息を吐いた。
ダリアは本当に頑固だわ。
「結婚だけが幸せとも限りません。私は、こうしてヴェルヘルミーナ様にお仕え出来ることが一番の幸せなのです」
「……だったら、私も、セドリックがこの家に戻るまで、ここを守ることが幸せよ」
「家を守るための後ろ盾を手に入れ、かつ、良き伴侶を得られれば、最善ではありませんか?」
お茶会の誘いが綴られているだろう手紙の束を、扇子のように広げたダリアはにこりと笑った。
「……そうね。後ろ盾とするなら、伯爵家かそれ以上の爵位をお持ちの家でなければならないわね」


