継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします

「ケリーアデルはペンロド公爵夫人との繋がりが強かった。仕方あるまい」

 継母との日々が、次々に思い出された。
 私がペンロド公爵夫人との関係に怯えず、ロックハート侯爵様──ローゼマリア様を信じていたら、もう少し早く解決できたのかもしれない。

「私は、本当に無能ですね」
「何を言い出すんだ?」
「だって……私が、私がローゼマリア様を信じて、勇気を出していたら……私が、魔力を使えていたら……お父様を煩わせることも、お父様が苦しむことも」

 無能だったばかりに、事を大きくしてしまった。
 そう考えると苦しくて、申し訳なくて、さらに胸が締め付けられる。

「泣かないで、ヴェルヘルミーナ」