継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします

 ヴィンセント様から聞かされたお父様の再婚話に、私はすっかり混乱していた。あまりにも情報量が多すぎるわ。

 どういうことかしら。お父様があの人と再婚したことを、周囲の人たちは歓迎していなかった?

 お父様は、継母を素晴らしい魔女だといっていた。彼女に学べば、きっと私も魔法が使えるようになると──幼い頃の記憶を思い出し、ハッとする。

 もしかして、私のために……?

 ヴィンセント様を見つめると、彼は少し辛そうに目を細めた。

「レドモンド卿が後妻に求めた婚姻の条件は『ヴェルヘルミーナの魔力を開花させること』だった」
「私の、魔力?」
「本当は、自身で魔法を使えるようにしてやりたかった。そう話されていた。しかし、当時の第五魔術師団は新たな幻惑の魔女を探す任があってね」
「……それで、お忙しかったのですね」