継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします

「不安じゃないとは言いきれないけど……知ることができて良かったと思っているわ。その、私に魔力があるとは今でも信じられないけど……」

 両手を見つめ、そこに火を呼び出せないかと念じてみる。だけど、そこには米粒ほどの明かりも点らない。

 これで魔力があると言われても、何を信じたらいいのかしら。

「もしも、幻惑の魔女が現れたら……力がない私はどうしたらいいのかしら」
「ヴェルヘルミーナ様……大丈夫ですよ。ヴィンセント様も守ると言ってくださってましたし」
「でも、私には守られる価値なんて……」

 ベッドの端に腰かけて、膝の上で両手を握りしめていると、ダリアは私の前に腰を下ろした。そうして、そっと手を重ねる。

「私は、ヴェルヘルミーナ様が結婚に前向きなことにも、ホッとしております」
「ダリア?」
「覚えてますか? 幼いときに、秘密よっておっしゃって、私に初恋を打ち明けてくださったことを」
「……初恋?」

 脳裏に幼い日のことが浮かんだ。