夜に花を開く植物があると聞いたことはある。でも、闇色の花については聞いたことがないわ。
その花というのは森の声が伝える吉凶を表すのかしら。もしそうなら、闇色だなんて不吉すぎる。
手を握りしめて話を聞いていると、目の前に一つのペンダントが差し出された。とても綺麗な水晶のペンダントだ。
「花が咲くのは、魔女の能力が次に渡されたことを告げるため。そう、十年前に亡くなったクレアの能力は、間違いなく引き継がれた。……ヴェルヘルミーナ嬢、この水晶はそなたに託そう」
「……どうして、私に?」
「そなたが、クレアの能力を継いだ者だからに他ならぬ」
「私が? な、何かの間違いです! だって、私は……」
火一つ灯すことが出来ないのだから。そう言葉にすることは出来なかった。


