継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします

 ウーラさんの言葉にドキリとする。

 私が魔法を使えないことを、悟られたのかしら。だとしても、ここで何も答えないわけにはいかない。

 大丈夫よ。使えないからこそ、私は誰よりもその仕組みや歴史を学んできた。ちゃんと答えられるわ。

 握りこぶしをして、息を深く吸う。

「体内で生み出されている魔力を、別のエネルギーに変えて行使するものです」
「うむ。その魔力は、火を灯すのがやっとの者がおれば、海を割ることの出来る者もおる」

 そう、魔力が生まれもって神から与えられる祝福だとも言われるのは、その圧倒的な威力を生み出すものがいるためだ。

 貴族はその圧倒的な魔力を求め、力を維持するため、競って魔力の高い血統との婚姻を重ねてきた。庶民で稀に生まれる有能な者を見つければ、囲うようなこともしている。

 だから、貴族の血を引いているのに魔法が使えないなんて、聞いたことがない。それくらい、長い歴史の中で、貴族は血統と魔力を重んじてきた。