継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします

「いらっしゃい、ヴェルヘルミーナ。会いたかったわ」

 ヴィンセント様は、いったい私のことをいつ知らせていたのだろうか。
 まるで、結婚は当然のような歓迎ムードに拍子抜けをしつつ、私は完璧なカーテシーを披露した。

 ヴィンセント様の伯母様はアーリック族長ルイーゼと名乗った。

 なるほど、お手紙で報告を済ませなかったのも頷ける。
 ヴィンセント様と一緒に、結婚の報告をすれば、とても歓迎してくださった。

 しばらくお茶を楽しんだ後、屋敷の外にある大きなサンルームへと案内された。

 サンルームはガラス張りのドームで、中に入った私は思わず歓声を上げてしまった。
 だって、あまりにも素敵で不思議な光景だったから。

 見たこともないような木々がいくつも植えられ、鮮やかな花が咲き誇っている。甘い香りに誘われた輝く蝶がひらりひらりと舞っている様子は、この世のものとは思えない。