「……甘えて、いい?」
セリアは立ち上がると、メメリアの前に出てそっと両手を握りしめてくる。
「! 当たり前です! セリア様のためにメメリアは何でもします!」
その言葉にメメリアは目を丸くした後、わずかに眉をさげてもの切なく微笑んだ。
そして手を離すと、セリアはメメリアから離れて思いきり窓を開いて太陽の光を室内に取り込んだ。
星の輝きをまとったようなプラチナブロンドの髪が風を浴びて揺れる。
同じようにメメリアのバラ色の髪も緩やかになびいた。
こうしてメメリアは偵察のため、ヒュアデス王国に侍女として侵入することに。
クセの強い髪を高く結い、大きなカバンを手に巨大な城門を見上げた。
さすがは水の大国。
城の周りは水路で囲まれ、常に飲み水として利用できる透明な水が循環していた。
「お待たせしました。あなたがメメリアさんですね?」
「はい。今日からお世話になります」
「わたしは侍女頭のシルヴィアです。メメリアさんには”水晶宮”を担当していただきます」
水晶宮は、王族の住まう宮の一つで現在は第一王子のネリウスの住居となっている。
メメリアの目的は”ネリウス王子の実態を探ること”。
近くであり、かつ安全に偵察できる宮付きの侍女としてネリウス王子の悪評を確かめる。
悪評が本当ならば頭が痛い話だが、ウソであればセリアも安心して嫁ぐことが出来る。
最悪、セリアが嫁ぐまでにはまだ時間があるため、必要に応じては害となるものを排除する考えでいた。
(にしても広い王宮ねぇ。困っちゃうなぁ)
セリアは立ち上がると、メメリアの前に出てそっと両手を握りしめてくる。
「! 当たり前です! セリア様のためにメメリアは何でもします!」
その言葉にメメリアは目を丸くした後、わずかに眉をさげてもの切なく微笑んだ。
そして手を離すと、セリアはメメリアから離れて思いきり窓を開いて太陽の光を室内に取り込んだ。
星の輝きをまとったようなプラチナブロンドの髪が風を浴びて揺れる。
同じようにメメリアのバラ色の髪も緩やかになびいた。
こうしてメメリアは偵察のため、ヒュアデス王国に侍女として侵入することに。
クセの強い髪を高く結い、大きなカバンを手に巨大な城門を見上げた。
さすがは水の大国。
城の周りは水路で囲まれ、常に飲み水として利用できる透明な水が循環していた。
「お待たせしました。あなたがメメリアさんですね?」
「はい。今日からお世話になります」
「わたしは侍女頭のシルヴィアです。メメリアさんには”水晶宮”を担当していただきます」
水晶宮は、王族の住まう宮の一つで現在は第一王子のネリウスの住居となっている。
メメリアの目的は”ネリウス王子の実態を探ること”。
近くであり、かつ安全に偵察できる宮付きの侍女としてネリウス王子の悪評を確かめる。
悪評が本当ならば頭が痛い話だが、ウソであればセリアも安心して嫁ぐことが出来る。
最悪、セリアが嫁ぐまでにはまだ時間があるため、必要に応じては害となるものを排除する考えでいた。
(にしても広い王宮ねぇ。困っちゃうなぁ)



