基本的にセリアのことは何でも知っているつもりだが、わざわざ口にするのはメメリアのあずかり知らない内容だから……?
唐突な告白にメメリアは身を竦め、生唾を飲みこんだ。
「私、好きな人がいるの」
思いがけない告白にメメリアは思いきり床に手をつき、背中を強く扉にぶつけてしまう。
荒々しい音にセリアが驚いたのが伝わってきたが、メメリアは動揺してかける言葉を見つけられない。
冷や汗が背中を伝い、頭部がミントを擦りつけたかのようにスース―しだした。
「そう……ですか。それは、存じませんでした」
「ふふ。バレないように努めてたもの」
メメリアにはそう返答するのが精いっぱいだった。
セリア至上主義と本人バレしているため、隠し事を貫けたとセリアはクスクス笑っていた。
聖女としての苦悩。
王族としての立ち振る舞い。
どんな悩みも一緒になって考えていた分、メメリアの知らないセリアに実感が伴わなかった。
「……誰か気になる?」
セリアの問いかけにメメリアは顔をうつむかせ、目を閉じて首を横に振る。
「セリア様が話したいと思った時に教えてください」
「そう。わかった。そうするね」
本当は知りたくてたまらない。
誰がメメリアの大切なセリアの想い人。
思い当たる人が一人もいないだけに、相当表に感情を出さなかったとわかる。
知りたいと一言いえばいいだけなのに、いざという時に素直になれない自分が憎らしかった。
「結婚なんて嫌よ……」
王女であるため、自由な恋愛が出来ないことは覚悟していた。
だからといってああも悪評高いネリウス王子が相手となれば、さすがのセリアも正気でいられない。
それもそのはず。
セリアは極めて潔癖な人間で、女たらしで金遣いの荒い男なんてものはこの世で最も嫌いな人種であった。
唐突な告白にメメリアは身を竦め、生唾を飲みこんだ。
「私、好きな人がいるの」
思いがけない告白にメメリアは思いきり床に手をつき、背中を強く扉にぶつけてしまう。
荒々しい音にセリアが驚いたのが伝わってきたが、メメリアは動揺してかける言葉を見つけられない。
冷や汗が背中を伝い、頭部がミントを擦りつけたかのようにスース―しだした。
「そう……ですか。それは、存じませんでした」
「ふふ。バレないように努めてたもの」
メメリアにはそう返答するのが精いっぱいだった。
セリア至上主義と本人バレしているため、隠し事を貫けたとセリアはクスクス笑っていた。
聖女としての苦悩。
王族としての立ち振る舞い。
どんな悩みも一緒になって考えていた分、メメリアの知らないセリアに実感が伴わなかった。
「……誰か気になる?」
セリアの問いかけにメメリアは顔をうつむかせ、目を閉じて首を横に振る。
「セリア様が話したいと思った時に教えてください」
「そう。わかった。そうするね」
本当は知りたくてたまらない。
誰がメメリアの大切なセリアの想い人。
思い当たる人が一人もいないだけに、相当表に感情を出さなかったとわかる。
知りたいと一言いえばいいだけなのに、いざという時に素直になれない自分が憎らしかった。
「結婚なんて嫌よ……」
王女であるため、自由な恋愛が出来ないことは覚悟していた。
だからといってああも悪評高いネリウス王子が相手となれば、さすがのセリアも正気でいられない。
それもそのはず。
セリアは極めて潔癖な人間で、女たらしで金遣いの荒い男なんてものはこの世で最も嫌いな人種であった。



