「……いいだろう。どうせ王になるなら良き王になってほしいからな」
「! ありがとう!」
「よっしゃ!」とメメリアは手を引っ込めるとリヴィアンに背を向け、拳を握る。
利害一致であり、これはメメリアの恋のはじまりだ。
毒耐性には自信があったけれど、恋の猛毒には勝てそうにない。
「それで、メメリア。最初は何をするんだ?」
「! 好きっ!!」
「はっ?」
眉をひそめ、訝しげにメメリアを一瞥するリヴィアン。
メメリアは真っ赤に頬を染め、慌てて「なんでもない」と両手を前に突き出して誤魔化した。
(きゃーっ! 名前呼ばれたぁ! すきぃ!!)
メメリアにとって大事な名前。
セリアが名付けてくれた世界一の宝物だ。
その名を好きな人に呼ばれ、パワーをチャージしたメメリアは大胆不敵に笑うとバラ色の髪をなびかせて振り返る。
「まずはネリウス王子の周りからご令嬢たちを排除! 素敵な縁結び大作戦よ!」
「……はぁ?」
協力する相手を間違えたかもしれない。
そう言わんばかりのあきれ顔をし、リヴィアンはこめかみを押さえて息をついた。
上機嫌なメメリアは仁王立ちし、鼻を高くして星空にセリアを描いて訴えた。
(セリア様! 絶対に幸せになりましょう!)
ネリウス王子が憂いの種ならば更生させて、前向きに悩みましょう!
そしていつか一緒に好きな人について語らえたらいい。
こうしてメメリアは新しい目標と恋心を抱き、ネリウス王子更生計画への道を歩みだした。
【了】
※本作はベリーズカフェファンタジー小説大賞【第一話のみ】応募作です。
「! ありがとう!」
「よっしゃ!」とメメリアは手を引っ込めるとリヴィアンに背を向け、拳を握る。
利害一致であり、これはメメリアの恋のはじまりだ。
毒耐性には自信があったけれど、恋の猛毒には勝てそうにない。
「それで、メメリア。最初は何をするんだ?」
「! 好きっ!!」
「はっ?」
眉をひそめ、訝しげにメメリアを一瞥するリヴィアン。
メメリアは真っ赤に頬を染め、慌てて「なんでもない」と両手を前に突き出して誤魔化した。
(きゃーっ! 名前呼ばれたぁ! すきぃ!!)
メメリアにとって大事な名前。
セリアが名付けてくれた世界一の宝物だ。
その名を好きな人に呼ばれ、パワーをチャージしたメメリアは大胆不敵に笑うとバラ色の髪をなびかせて振り返る。
「まずはネリウス王子の周りからご令嬢たちを排除! 素敵な縁結び大作戦よ!」
「……はぁ?」
協力する相手を間違えたかもしれない。
そう言わんばかりのあきれ顔をし、リヴィアンはこめかみを押さえて息をついた。
上機嫌なメメリアは仁王立ちし、鼻を高くして星空にセリアを描いて訴えた。
(セリア様! 絶対に幸せになりましょう!)
ネリウス王子が憂いの種ならば更生させて、前向きに悩みましょう!
そしていつか一緒に好きな人について語らえたらいい。
こうしてメメリアは新しい目標と恋心を抱き、ネリウス王子更生計画への道を歩みだした。
【了】
※本作はベリーズカフェファンタジー小説大賞【第一話のみ】応募作です。



