『じゃあ、部屋戻るね』

そう言ってリビングから出ていった月姫。そして、俺は親父達を問い詰めた

『おい』

『……なんだ』

『本当に月姫を編入させようとしてんのか』

月姫以外の奴らは俺が暴走族に入っていることを知っている。だから低い声を出しても問題ない。

暴走族に入ってんの月姫にバレたらガチで嫌われそうだからな……このまま隠し通そうとしてたのに……何考えてんだ。

『ああ。』

親父は短く返事をした

『ふざけんな。お前ら、月姫の気持ち考えた上で編入させることにしたのか?』

『もちろんだ。』

『……はっ!』

変な笑いが込み上げてきた。本当に考えてやってねぇなって思ったから。

『本当に月姫の気持ちを考えてんなら勝手に編入試験受けさせねぇだろ。』

『だが、仕方ないだろう。月姫も海外に行かせるよりこっちで友達と仲良く過ごせばいいだろ?』

『たしかに、月姫をこっちに残して友達と仲良く過ごさせるのは同感だ。だが、編入したら今の学校辞めることになるんだぞ。それで友達と仲良くって、無理だろ。学校でもう会えねぇんだぞ。そこはどーすんだ』