(今日は一優さんの誕生日。なぜ私が一優さん家の玄関に大荷物でいるかというと…)
ガチャ
「お待たせ!荷物一旦玄関のとこ置いといて」
荷物を置き、外の鍵を閉めた。
「よし!1泊2日楽しもうね!」
(そう、今日は付き合って初めてのお泊まりなのだ。誕生日の希望を聞いたあの日、一優さんは「連休取ったからさ、泊まりに来てよ」と言ってきた。そして続けて「一緒に海行きたい」と言われたので…)
「おぉー平日だけど人結構いるね」
(海にやってきた)
「じゃあ、着替えたらここに集合ね」
それぞれ更衣室に向かった。
水着に着替え終わったさゆかは、薄手のパーカーを羽織り集合場所に向かう。一優の姿を見つけ目を見開く。
(!?やば!!腹筋割れてるんですけどー!!半袖着てる時点で薄々気付いてたけど、あれは全女子を虜にする細マッチョじゃん)
興奮を抑えながら一優の元へいく。
「お待たせしました」
「全然」
「じゃあ、行きましょう。あそこで浮き輪レンタルできるみたいなので、借りましょうか」
大きな浮き輪を借りて、海に入っていく2人。
「これ2人入れるかな!?」
さゆかと密着し浮き輪を頭からくぐる。
(近い近いー。細マッチョがー)
「お、意外といけた。もう少しあっちまで行ってみようか」
波に揺られながら人の少ない方へぷかぷか進んでいく。
「こういうまったりな感じもいいですね。友達と海行くとずっとはしゃいでるので」
「ごめんね、若くなくて」
「そういう意味で言ったんじゃありませんよー」
「あはは。そういえば、そのパーカーって日焼け対策?」
「そうですね。あと…恥ずかしいので…」
「水着姿が?」
小さく頷く。
「水着姿を見られるのもだし、胸も大きくないから…」
「どんな水着か見たいなぁ」
「いや、でも…」
すいーっ
足のつくところまで移動し浮き輪を外した。縦に持ち、砂浜にいる人からさゆかが見えないようにした。
「誕生日だからわがまま聞いてくれるよね?」
パーカーのファスナーをゆっくり下ろす。
ドキッ
恥ずかしさで目を伏せるさゆか。
「やば…。めちゃくちゃ可愛い」
ちゅ
おでこにキスをした。
「でも…他の男に見せたくないから、パーカーは着といてもらおうかな」
ニコッとしてファスナーを上げた。
(身体が熱くなるのは、暑さのせいじゃない)
海を満喫し、一優の家に帰ってきた。
「日焼け止め塗ってても焼けた気がします。お風呂ヒリヒリするかも」
「そうだね」
デリバリーした夕食を仲良く食べる2人。
「そろそろケーキにしますか?」
「そうだね」
事前に購入していたアイスケーキに29のロウソクを立て、火をつけた。
「電気消します」
ロウソクの灯りが2人を優しく照らす。
「改めて、お誕生日おめでとうございます。お願い事して消してくださいね」
「ありがとう。じゃあ…ふぅーっ」
パチパチパチ
電気をつけた。
「じゃあ、切りましょう。…あ、意外とすんなり切れる」
2人分を切り分け、残りを冷凍庫に入れた。
「いただきまーす」
パクッ
「んー!冷たくておいしーい」
「ほんとだね」
「そういえばロウソク消す時、何をお願いしたんですか?」
「んーっとね…」
一優が顔を近づけ、
ぺろっ
さゆかの口元についたアイスを舐めた。
ドキッ
顔を近づけたまま見つめる。
「来年も再来年もずっと誕生日祝ってね」
食器を洗い終えたさゆかに一優が寄ってきた。
「お風呂一緒に入るよね?」
「えっ!?」
「さゆかが言ってくれたじゃん。お風呂での肌と肌の触れ合いはオッケーって」
(あ、そういえばそんなこと言った…。いや、でも水着姿さえギリギリだったのに、お風呂なんて…)
焦るさゆかを軽くハグする。
「今さら無理とかナシだからねー。これも誕生日のわがままだし」
(誕生日の特権をここぞとばかりに盛り込んでくるっ…ずるい)
「さゆかが絶対恥ずかしがると思って、濁るタイプの入浴剤買っておいたから」
「…それなら。その代わり私が先に入って湯船で待ってもいいですか!?」
「言うと思った。いいよ、15分くらい経ったら声かけるね」
浴室に入り身体や髪を洗うさゆか。
(あ、このシャンプーの匂い好き)
チャポン
洗い終え、湯船に浸かる。
(どうしよう、緊張する)
「そろそろ大丈夫ー?」
脱衣所から一優が聞いてくる。
「あ、はい」
一優が浴室に入ってきた。
「お湯の温度大丈夫?」
「良い感じです」
一優の身体を見ないように話すさゆか。洗い終えた一優が湯船に入ろうとする。
「少し前にいける?」
さゆかを後ろから包み込むように浸かった。
(わわわ、やばい。海といいお風呂といい、今日密着率高い。心臓が止まる…)
「この入浴剤良い匂いするね」
「リラックスできる香りですよね。それに少しとろみがあって、肌が潤う感じがします」
一優がさゆかの腕を触った。
「ほんとだ」
(うぅー、ナチュラルに触るんだからー)
ちゅ
さゆかの首筋にキスをした。
「さゆかのおかげで最高の誕生日だった。ありがとう」
「お祝いできて良かったです」
「一緒にお風呂に入れるなんて、去年の誕生日じゃ想像できなかったな」
「勝手にキスしてきたやつですね」
「実質両思いだったからいーの。今は思う存分できるけどね」
クルッ
さゆかの身体を自分に向け、唇にキスをした。そのまま何度もキスをする。
「やっぱ…すげぇ試されてる」
「え…」
ドクンッ
「こんなさゆか前にして我慢してる俺を褒めてほしいぐらい」
軽く口を尖らせた。
「ふふっ、29歳えらいえらい」
頭をヨシヨシする。
「歳は言わないのー」
さゆかが時間差でお風呂を出て、着替え終わるとドライヤーを持った一優に呼ばれた。
「髪乾かすから、こっちおいで」
自分の前に座るようにとポンポンとジェスチャーをする。
「えっ、いいですいいです。自分でやります。それに誕生日の人にさせるなんて」
「さゆかに拒否権はない!」
そう言って手を引き座らせた。
ブオォォー
(美容院以外で人に髪を乾かしてもらうなんて、何年振りだろう。一優さんの手が良い感じにフィットして、気持ちいいなぁ)
「0時過ぎたねぇ。こんな幸せな誕生日久々だっなぁ」
「よかった、お祝いしてる私まで幸せでした」
微笑み、覆い被さるようにハグした。
「そろそろ寝よっか」
寝室に行き、ベットに入る2人。
(一緒に寝れる日が来るなんて…!幸せ)
「冷房寒かったら言ってね」
「はい、ありがとうございます」
薄手の掛け布団の中で向き合う2人。
「少しだけ話してもいいですか?」
「うん、いいよ」
「実は…母が再婚するらしくて」
「え、そうなんだ。急展開だね」
「私もびっくりしたんですけど、母が幸せになるなら安心だし嬉しいなって思います。で、今度相手の方とお会いするんですが、良かったら一優さんにも来てもらえると嬉しいんですが…」
「えっ、それ俺が行っていいやつ!?それにお母さんに会うなら付き合ってるの言うってことだよね?」
「あ、その…この前、母に一優さんのこと伝えたんです。反対されなくて、会いたいって言ってました」
「ほんとに?」
大きく頷くさゆか。
「じゃあ、有り難く行かせてもらうよ」
「ありがとうございます。…あの一優さん」
「ん?」
「私が高校卒業して、落ち着いたら入籍しませんか…?」
「…え。…この前伝えたように焦らなくていいよ。これから大学や仕事を経験しながら考えてくれたら」
「大学も行くし、好きな仕事もするつもりです。子供のことは時間をかけて考えたいです。ただ後悔しないためにも、一優さんと夫婦として家族として、1分でも1秒でも長く一緒にいたいって思ったんです。…わがままですか?」
優しく微笑む一優。
「…全然。俺も同じ気持ちだよ」
ふわっとした笑顔を見せるさゆか。
「ねぇ、俺より先にプロポーズするのずるくない?」
少し悔しそうな一優。
「ふふっ、これは決意表明です。プロポーズは…待ってますから」
さゆかの頭を優しく撫でた。
「…うん、ありがとう」
穏やかな表情で眠りにつく2人。
ガチャ
「お待たせ!荷物一旦玄関のとこ置いといて」
荷物を置き、外の鍵を閉めた。
「よし!1泊2日楽しもうね!」
(そう、今日は付き合って初めてのお泊まりなのだ。誕生日の希望を聞いたあの日、一優さんは「連休取ったからさ、泊まりに来てよ」と言ってきた。そして続けて「一緒に海行きたい」と言われたので…)
「おぉー平日だけど人結構いるね」
(海にやってきた)
「じゃあ、着替えたらここに集合ね」
それぞれ更衣室に向かった。
水着に着替え終わったさゆかは、薄手のパーカーを羽織り集合場所に向かう。一優の姿を見つけ目を見開く。
(!?やば!!腹筋割れてるんですけどー!!半袖着てる時点で薄々気付いてたけど、あれは全女子を虜にする細マッチョじゃん)
興奮を抑えながら一優の元へいく。
「お待たせしました」
「全然」
「じゃあ、行きましょう。あそこで浮き輪レンタルできるみたいなので、借りましょうか」
大きな浮き輪を借りて、海に入っていく2人。
「これ2人入れるかな!?」
さゆかと密着し浮き輪を頭からくぐる。
(近い近いー。細マッチョがー)
「お、意外といけた。もう少しあっちまで行ってみようか」
波に揺られながら人の少ない方へぷかぷか進んでいく。
「こういうまったりな感じもいいですね。友達と海行くとずっとはしゃいでるので」
「ごめんね、若くなくて」
「そういう意味で言ったんじゃありませんよー」
「あはは。そういえば、そのパーカーって日焼け対策?」
「そうですね。あと…恥ずかしいので…」
「水着姿が?」
小さく頷く。
「水着姿を見られるのもだし、胸も大きくないから…」
「どんな水着か見たいなぁ」
「いや、でも…」
すいーっ
足のつくところまで移動し浮き輪を外した。縦に持ち、砂浜にいる人からさゆかが見えないようにした。
「誕生日だからわがまま聞いてくれるよね?」
パーカーのファスナーをゆっくり下ろす。
ドキッ
恥ずかしさで目を伏せるさゆか。
「やば…。めちゃくちゃ可愛い」
ちゅ
おでこにキスをした。
「でも…他の男に見せたくないから、パーカーは着といてもらおうかな」
ニコッとしてファスナーを上げた。
(身体が熱くなるのは、暑さのせいじゃない)
海を満喫し、一優の家に帰ってきた。
「日焼け止め塗ってても焼けた気がします。お風呂ヒリヒリするかも」
「そうだね」
デリバリーした夕食を仲良く食べる2人。
「そろそろケーキにしますか?」
「そうだね」
事前に購入していたアイスケーキに29のロウソクを立て、火をつけた。
「電気消します」
ロウソクの灯りが2人を優しく照らす。
「改めて、お誕生日おめでとうございます。お願い事して消してくださいね」
「ありがとう。じゃあ…ふぅーっ」
パチパチパチ
電気をつけた。
「じゃあ、切りましょう。…あ、意外とすんなり切れる」
2人分を切り分け、残りを冷凍庫に入れた。
「いただきまーす」
パクッ
「んー!冷たくておいしーい」
「ほんとだね」
「そういえばロウソク消す時、何をお願いしたんですか?」
「んーっとね…」
一優が顔を近づけ、
ぺろっ
さゆかの口元についたアイスを舐めた。
ドキッ
顔を近づけたまま見つめる。
「来年も再来年もずっと誕生日祝ってね」
食器を洗い終えたさゆかに一優が寄ってきた。
「お風呂一緒に入るよね?」
「えっ!?」
「さゆかが言ってくれたじゃん。お風呂での肌と肌の触れ合いはオッケーって」
(あ、そういえばそんなこと言った…。いや、でも水着姿さえギリギリだったのに、お風呂なんて…)
焦るさゆかを軽くハグする。
「今さら無理とかナシだからねー。これも誕生日のわがままだし」
(誕生日の特権をここぞとばかりに盛り込んでくるっ…ずるい)
「さゆかが絶対恥ずかしがると思って、濁るタイプの入浴剤買っておいたから」
「…それなら。その代わり私が先に入って湯船で待ってもいいですか!?」
「言うと思った。いいよ、15分くらい経ったら声かけるね」
浴室に入り身体や髪を洗うさゆか。
(あ、このシャンプーの匂い好き)
チャポン
洗い終え、湯船に浸かる。
(どうしよう、緊張する)
「そろそろ大丈夫ー?」
脱衣所から一優が聞いてくる。
「あ、はい」
一優が浴室に入ってきた。
「お湯の温度大丈夫?」
「良い感じです」
一優の身体を見ないように話すさゆか。洗い終えた一優が湯船に入ろうとする。
「少し前にいける?」
さゆかを後ろから包み込むように浸かった。
(わわわ、やばい。海といいお風呂といい、今日密着率高い。心臓が止まる…)
「この入浴剤良い匂いするね」
「リラックスできる香りですよね。それに少しとろみがあって、肌が潤う感じがします」
一優がさゆかの腕を触った。
「ほんとだ」
(うぅー、ナチュラルに触るんだからー)
ちゅ
さゆかの首筋にキスをした。
「さゆかのおかげで最高の誕生日だった。ありがとう」
「お祝いできて良かったです」
「一緒にお風呂に入れるなんて、去年の誕生日じゃ想像できなかったな」
「勝手にキスしてきたやつですね」
「実質両思いだったからいーの。今は思う存分できるけどね」
クルッ
さゆかの身体を自分に向け、唇にキスをした。そのまま何度もキスをする。
「やっぱ…すげぇ試されてる」
「え…」
ドクンッ
「こんなさゆか前にして我慢してる俺を褒めてほしいぐらい」
軽く口を尖らせた。
「ふふっ、29歳えらいえらい」
頭をヨシヨシする。
「歳は言わないのー」
さゆかが時間差でお風呂を出て、着替え終わるとドライヤーを持った一優に呼ばれた。
「髪乾かすから、こっちおいで」
自分の前に座るようにとポンポンとジェスチャーをする。
「えっ、いいですいいです。自分でやります。それに誕生日の人にさせるなんて」
「さゆかに拒否権はない!」
そう言って手を引き座らせた。
ブオォォー
(美容院以外で人に髪を乾かしてもらうなんて、何年振りだろう。一優さんの手が良い感じにフィットして、気持ちいいなぁ)
「0時過ぎたねぇ。こんな幸せな誕生日久々だっなぁ」
「よかった、お祝いしてる私まで幸せでした」
微笑み、覆い被さるようにハグした。
「そろそろ寝よっか」
寝室に行き、ベットに入る2人。
(一緒に寝れる日が来るなんて…!幸せ)
「冷房寒かったら言ってね」
「はい、ありがとうございます」
薄手の掛け布団の中で向き合う2人。
「少しだけ話してもいいですか?」
「うん、いいよ」
「実は…母が再婚するらしくて」
「え、そうなんだ。急展開だね」
「私もびっくりしたんですけど、母が幸せになるなら安心だし嬉しいなって思います。で、今度相手の方とお会いするんですが、良かったら一優さんにも来てもらえると嬉しいんですが…」
「えっ、それ俺が行っていいやつ!?それにお母さんに会うなら付き合ってるの言うってことだよね?」
「あ、その…この前、母に一優さんのこと伝えたんです。反対されなくて、会いたいって言ってました」
「ほんとに?」
大きく頷くさゆか。
「じゃあ、有り難く行かせてもらうよ」
「ありがとうございます。…あの一優さん」
「ん?」
「私が高校卒業して、落ち着いたら入籍しませんか…?」
「…え。…この前伝えたように焦らなくていいよ。これから大学や仕事を経験しながら考えてくれたら」
「大学も行くし、好きな仕事もするつもりです。子供のことは時間をかけて考えたいです。ただ後悔しないためにも、一優さんと夫婦として家族として、1分でも1秒でも長く一緒にいたいって思ったんです。…わがままですか?」
優しく微笑む一優。
「…全然。俺も同じ気持ちだよ」
ふわっとした笑顔を見せるさゆか。
「ねぇ、俺より先にプロポーズするのずるくない?」
少し悔しそうな一優。
「ふふっ、これは決意表明です。プロポーズは…待ってますから」
さゆかの頭を優しく撫でた。
「…うん、ありがとう」
穏やかな表情で眠りにつく2人。



