暗闇の路地に、銃声と怒声が響く。

私たち古蔵組のチームは、神龍組の若手を押さえ込もうとしていた。

「流華、前に出ろ!」

由海の声が耳に届く。

わかってる、わかってるけど……緊張で心臓がバクバクする。

そのとき、目の端に映ったのは──

神龍組の若頭、蓮舞。17歳。クールで、誰もが振り返る美貌。

あの目が、私を捉えた瞬間、胸がぎゅっと締め付けられる。

「……蓮舞?」

思わず声が出る。あの冷徹な目と、かつての敵意が同時にぶつかってくる。


蓮舞もこちらを見て、眉を一瞬動かした。

お互いの視線がぶつかる──まさか、戦場で再会するなんて。

結局、その日の戦いは引き分け。 

互いに一歩も譲らず、戦闘は終わった。

胸の奥で、得体の知れない感情がちらつくのを感じながら、私は立ち去った。