マサエは
19歳のいまの自分に納得していなかった。
フリーターで飲食店で働く普通の女。
なんか嫌だ

何かしたい。

テレビで取り上げられる
芥川賞作家やケータイ小説家が
羨ましかった。

私も才能があれば、
作家さんになれたのに

大学にもいってないし

これと言って
美術や文学の才能もない。

最近流行り出した
小説投稿サイトの『作家集団ジントニック』
では
小説家SUIの推理小説が人気だそうだった。

マサエは暇つぶしに
小説家SUIのよくわからない推理小説なんだか、
ファンタジー小説なんだか理解に難しい世界観の
連載を読むことにハマっていた。