毒舌男子の愛は甘い。

そんな気持ちを抱えながら、休憩を終えて、いつものようにカウンターに立っていると、背後から軽い声が聞こえてきた。



「あの〜店員さん。」


「えっ?」


振り返ると、ニヤニヤした男がこちらを見ている。


「前から思ってたんだけど、めちゃくちゃ可愛いですね。」

「えっ?」

「よかったら連絡先教えてよ。」


「えっ……あ、す、すみません……そういうのは、ちょっと…」



反射的に、小さく呟く。



「ん? もしかして彼氏とかいるの?」


「えっと…」



男は軽いノリで話しかけてきて、距離感も近い。


どう断ればいいのか迷っていると、突然凪が私の隣に立つ。



その視線の強さと落ち着いた声に、男は一瞬戸惑いを見せる。