「悠人くん、なにがしたかったの?」


「さあ?」


またその返事。


本当のことは絶対に言ってくれないんだろうなと思った。


でも、その瞳の奥には、どこか凪のいる方向をしっかり見ていたような気がしていた。


(まさか、わざと……?)



心臓はずっとザワザワしていた。



扉が開き、観覧車の一周が終わる頃には、頭の中に疑問符がいくつも浮かんでいた。


(結局、悠人くんは何がしたかったんだろう……)


答えはもらえず、あの笑顔のまま悠人くんはスキップしそうな足取りで横を歩いていた。


そして、さっきより少しだけ、凪の視線が冷たくなった気がした。