『まぁ本当…!?本当にそう思ってくれる?』
「うん!…なんかね、ひかれたコーヒー豆の風味とかも分かるようになってきたし、苦味が美味しく感じてきた」
本当に心から、私はコーヒーの虜になっていた。
飲み続けていれば舌は苦味に慣れてくれるし、その中から美味しさも探してくれるみたい。
だけど値段的にも胃的にも、この一杯で終わりだろうなぁ…なんだか残念。
『ありがとう…どうぞ、残さず飲み干してね』
女の子の言葉に、私は目を閉じて、深い味わいに集中しながら最後の一杯を流し込む。
目を開けると、空っぽになったカップと、幸せそうに笑う女の子が見えた。
『あなたに会えて嬉しかった…私の良さを…知ろうとしてくれて、知ってくれてありがとう』
女の子がすぅ…と消えていき、残された私は。
清々しい気分のまま、テーブルの上に置いてあったラブレターをビリッと破いて近くのゴミ箱へと捨てた。



