「しかも怪我してることにも気づかなくて俺」 笹村くんは、犬みたいにしょんぼりしていた。 その姿が、ちょっと可愛くて。 でも、申し訳なさそうな顔に胸がチクッとする。 「笹村、私は笹村を応援してるんだから千景に負けないでよ」 志緒ちゃんが、さらっとそう言った。 さっきから、志緒ちゃんの言ってることがよく分からない。 千景くんに負けないって、どういう意味? 競技のこと? 「何の話?」 笹村くんも、首をかしげていた。