「私は認めないから!」
志緒ちゃんの声が、教室に響き渡る。
わーっ…!声がっ…!
ハッとして、慌てて教室を見渡す。
…良かった。千景くんは、いないみたい。
そのことに、少しだけ胸を撫で下ろす。
でも、志緒ちゃんは止まらない。
目を真っ直ぐにして、私を見つめてくる。
「なずな、それだけで諦めるのは早いって。千景は絶対、なずなのこと好きだから」
その言葉は、優しくて、強くて。でも、私の心には届ききらない。
「でも、好きな人にあんなことは言わないでしょ…?」
声が震える。
昨日の言葉が、まだ胸に刺さってる。
「なずなは、笹村とお似合いだね」 その一言が、私の世界を崩した。
志緒ちゃんは、「そうだけど…」と口をつぐむ。
言いたいことがあるのに、言えない。その沈黙が、余計に切ない。



