君の隣にいたいだけ

初夏の風が心地よく吹くある日、美咲の体調は少し悪化していた。

それでも彼女は、悠真と過ごす時間を大切にしたかった。

「ごめんね、今日はあまり元気じゃなくて…」

美咲は申し訳なさそうに微笑んだ。

悠真は優しく手を握り返した。

「そんなこと気にしないで。君がいるだけでいいんだよ。」

しかし、心の中では不安が渦巻いていた。

病気のことを知りながら、どう支えればいいのか、何もできない自分に苛立ちも感じていた。

「君が笑ってくれるなら、どんなことでも乗り越えたい」

悠真のの言葉は真っ直ぐに美咲の胸に響き、彼女は涙をこらえながら小さく頷いた。

二人は互いに寄り添い、未来の不安と闘いながらも、かけがえのない今を生きていた。