君の隣にいたいだけ

一年後、季節は再び春へと移り変わっていた。
美咲と悠真は、幾度もの検査や治療を乗り越え、少しずつ日常を取り戻していた。
「体調はどう?」
美咲が優しく尋ねると、悠真は少し疲れた笑顔を見せた。

「まだ完全じゃないけど、君と一緒なら頑張れるよ。」

そんなある日、学校の帰り道。
悠真は突然、胸に激しい痛みを感じて足を止めた。

「美咲…ちょっと待って…」

その言葉とともに、悠真はゆっくりと膝をついた。

美咲は慌てて駆け寄り、必死に彼の体を支える。
「悠真、大丈夫?しっかりして!」

しかし、悠真の目は薄れていき、意識が遠のいていった。

「お願い…お願いだから、目を開けて…」

涙がこぼれ落ちる中、美咲は必死で彼の名前を呼び続けた。

病院に運ばれた悠真。
医師たちが懸命に治療を行う中、美咲はただ祈ることしかできなかった。

「二人で乗り越えるって約束したのに…まだ、終われないよ。」

彼女の心は痛みに引き裂かれながらも、悠真の回復を信じていた。