君の隣にいたいだけ

校庭の木々が赤や黄色に染まり始め、秋の香りが風に混ざって漂っていた。
落ち葉が足元でカサカサと音を立て、二人の歩みをやさしく包んでいる。
「ねぇ、美咲」
悠真がふと立ち止まり、彼女の手をそっと握った。

「これからも、どんなことがあっても、一緒に歩いていこう。
君の隣にいることが、俺の一番の願いだから。」

美咲は一瞬ためらったけれど、やがて照れくさそうに笑いながら深く頷いた。
「ありがとう、悠真。君といると、怖いことも少しだけ勇気になれる。
まだまだ不安はあるけど、君がいるから歩いていける気がする。」

悠真は優しく彼女の肩に手を回し、見上げた空の色を二人で共有した。
夕陽に染まる空は、まるでこれからの未来を祝福しているかのように美しかった。

「僕はずっと君の隣で、笑って泣いて、君の全部を見守りたい。
どんな日も、君の隣にいるって約束するよ。」

その言葉は、美咲の胸にじんわりと染み込んでいった。

二人の影が長く伸び、秋の風がやさしく二人の間を吹き抜けた。
未来の不安も、過去の悲しみも、今はただこの瞬間の温かさに包まれていた。

「これからも、ずっと一緒にいようね。」
美咲の声は小さくても力強く、悠真の心に深く響いた。

二人はまた歩き始めた。
色づく世界の中で、これから続く物語を胸に抱きながら――。