6時間目が終わった。いつもならあたしの席に駆け寄ってきてくれる星南は自分の席でぼうっと空を眺めている。
「星南…」
そうつぶやいても、誰も気づいてくれない。
でも、今日のあたしには1つ決意があるから、怖いという感情は不思議となかった。
むしろ、無敵になったような気分だ。
教室に貼られた掲示物を意味もなくずっと眺めていると、帰りの会が始まるチャイムが校舎に鳴り響いた。
「座ってください」
いつもなら嫌いな担任の初老の男性教師も、無敵のあたしにはもはや怖くなんてなかった。
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