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「ごはぁっっ!」
 どてっ腹に大槌が叩き込まれ壁に叩きつけられる。

「ぐ、ぐぅ」
 戦闘が開始して数分後、あっしは満身創痍になっていた。数の差もあったがブグラーが強ぇ。巨体に見合わない速度でデカい得物である大槌を振り回す。聖騎士の名は伊達ではなかった。

 万事休すですねぇ…………あっしも年貢の納め時ですかね…………?
 それでも最後まで人間に屈しはしない。最後まで抗おうと、ぐらつく身体で立ち上がる。

 やれやれ、後のアニキ達が少しでも楽できるよう騎士の数をできるだけ減らしてやりやすか。
 ジリジリ、と騎士達が方位を狭めてにじりよってくる。
 最後の攻防が始まろうとしていた。
 が、

「よぉ!随分と楽しそうだな、オレも混ぜちゃくんねーか」
 竜種を彷彿させる真っ赤な翼を羽ばたかせたアニキが腕を組み空に浮かんでいた。額に角が生え、赤い目が輝いている。尾がゆらりと動き牙の覗く口元が笑みが浮かべていた。