「……あ。おかえり。シャーロット」

 私がハビエル様が住む邸に到着し、医者の診断を受けてから案内された部屋に居たのは、我が邸のように寛いでいた私の従兄弟エリアスだった。

 一応、命の危険あった従姉妹の出迎えの態度にしては、あまりにも軽くない? 良いけど……身体には何の問題もありません! とさっき言われたばっかりだし。

「エリアス! その、少し話したいんだけど……」

 立ったままで私はハビエル様から貰った石板へ『ハビエル様はわかっていて、知らない振りをしていた』と書き込んだ。

 エリアスは石板の内容を見てから、右手に持っていたカップを落ち着いた仕草で机に置いた。

 そして、手招きをして私を自分の前の席へ座るように促した。