「シャーロット、好きだよ! 好きではないと、結婚は出来ない。最初はそこまで口下手だとは思わなかったが、話し掛けてくれた時も可愛かった。この子と結婚しようと思って、家族にもすぐに紹介したんだ。別に結婚相手を決めるのに、長い時間が必要であるとは思わない」

 ぎゅうっと抱きしめられながら、私はほっと息をついた。ついこの前に会ったばかりなんだけど私も好きだし、ハビエル様も好きで居てくれる。

 それならもう……良いのでは? と、思えて来た。

 命の危険と、ハビエル様との未来……私の心の秤は、とんでもなく格好良い騎士団長との未来へと、振り切れてしまった。

「あ……それと! あと、シャーロットとは、相談したいと思っていたことがあったんだ」

 パッと身体を離して、石板を私に持たせた。

「初デートは何処にする? もし、希望がないなら、行きたい場所があるんだが……」

 ここで途端に目をキラキラと輝かせ、ハビエル様はマチルダ様については気が付いていない振りだったけど、女性関係を徹底的に阻害されていたことは、多分……間違いなさそう。

 マチルダ様、これまでの経緯を見れば、ハビエル様に関わろうとした女性にすべて威嚇していそうだし。

 やっぱり……すっごく、女性との恋愛に夢をみていそう。これまで絶対的な権力に邪魔をされていた分、憧れが色々と溜まっていそう。

 けど、そういうところもやっぱりなんだか可愛くて、私はまた胸がキュンとしてしまった。