ハビエル様は長い足でスタスタと歩きかけたけれど、私がそう早く歩けないと気が付いて、慌てて謝ってゆっくりと歩いてくれた。
優しい。
……ハビエル様はマチルダ様の恋心に気が付いてなくて、だからこそ、これまでにどんなに結婚しようとしても、結婚が出来なかったはずだ。私はずっとそう思って居たし、周囲の皆だってそう思って居たはず。
私はさっきのロイクさんの言葉を、思い返していた。彼はハビエル様が『一番にわかっているはず』と言っていた。
ハビエル様が従姉妹にあたるマチルダ様の恋心を理解した上で、お断りするとするならば、彼女は王族で姫で本来ならば、臣下としては許されることではない。
ハビエル様本人は断りたいと思っても、おそらくは彼の父や兄が許さないはずだ。王族の勘気を被るなんて、臣下であれば誰しも避けたいもの。
……けれど、彼女は自分のプライドが邪魔をして、自分からは言い出せない。なんなら、ハビエル様が忖度して言い出してくれることを待っているようだ。
優しい。
……ハビエル様はマチルダ様の恋心に気が付いてなくて、だからこそ、これまでにどんなに結婚しようとしても、結婚が出来なかったはずだ。私はずっとそう思って居たし、周囲の皆だってそう思って居たはず。
私はさっきのロイクさんの言葉を、思い返していた。彼はハビエル様が『一番にわかっているはず』と言っていた。
ハビエル様が従姉妹にあたるマチルダ様の恋心を理解した上で、お断りするとするならば、彼女は王族で姫で本来ならば、臣下としては許されることではない。
ハビエル様本人は断りたいと思っても、おそらくは彼の父や兄が許さないはずだ。王族の勘気を被るなんて、臣下であれば誰しも避けたいもの。
……けれど、彼女は自分のプライドが邪魔をして、自分からは言い出せない。なんなら、ハビエル様が忖度して言い出してくれることを待っているようだ。



