そして、私が思っていたよりも早く、その時は訪れた。

 何人かの騎士たちが私たちが身を潜めていた草むら近くを通りかかり、先にロイクさんが出て行き、マチルダ様の息がかかった者でない事を確認してから私を連れて彼らと合流した。

 すっ……すっごく用心深い動きだけれど、これまでの事を考えればそれも仕方ないのかもしれない。

 私たちが見つかったという知らせは彼に先んじて届いていたらしく、彼の方から向かって来てくれていた。

 騎士団長に相応しい装飾が施された特別な騎士服に身を包んだハビエル様は、薄暗い中だというのになんだか輝いて見えた。長めの黒髪は乱れていて、それだけ彼が慌てていたということを表しているかのようだ。