れっきとした男性なんだけど、私の中ではどこか兄弟のような似たようなもの感じていて、幼い頃から慣れ親しんだ従兄弟というのもあり、彼にはどもらずに話せるし緊張しない。

 デビュー前にだって必要あれば、すべて気心の知れたエリアスにエスコートして貰っていたものだから、男性らしい男性とは話せないままに来てしまった。

 気の置けない従兄弟エリアスに甘えていたことが、すべて仇になってしまったのだ。

「ああ。確かに、あのエリアス様は中性的な方だったわね……見た目はとても上品で、男性らしくはなかったわ」

 イザベラは困った表情をしつつも、「そうだ!」と人差し指を立てて提案した。

「ここは、荒療治よ。シャーロット。男性の中でも特に男性らしい方と話せば、少しは慣れるかもしれないわ」

「……男性らしい、男性?」

 イザベラは何を言い出したのだろうと、私は首を傾げた。

「そうよ。あちらには陛下の護衛のためにいらっしゃる、ハビエル様が見えるでしょう?」