私は無言のままで、こくこくと頷いた。ハビエル様は優しく微笑み、手紙を開いた。

 手紙には私が異性にのみ口下手であるということ、初めて会ったあの時に、色々と誤解はあったけれど、ハビエル様に好意を持っていることに間違いはないこと……そういう、私が口では言い切れない、そういう気持ちをしたためた。

 私は手紙を読むハビエル様の整った横顔を見ながら、心の中は彼がどう思うかという不安で満たされていた。

 だって……自分と上手く話せないなんて、親しい間柄であれば面倒くさいよね。私が男性でもそう思ってしまうもの。

 ……やっぱり、結婚の話はなかった事にしようって言われたら、どうしよう……。

 元々、私もそういうつもりで彼に話かけた訳でもないから、何もなかった事になるだけで、それはそれで良いんだけど……。

「シャーロットは、口下手なのか……! しかも、異性にだけ?」

 パッと私を見たハビエル様って驚いた顔も、すっごく格好良いんだけど、私は彼の言葉の続きが気になった。

 ……何っていうかな? 面倒くさいって思う……? 私と結婚しようって思ったことを、後悔しているかもしれない……。

 そして、ハビエル様が『ん?』という顔で止まっていることを気が付き、私の反応(リアクション)待ちになっていたので、慌ててこくこくと頷いた。

「なんだ! そうなのか! 口下手なのか! 可愛いから、別に良くないか?」

 ……か、かわいい!?