「……さて、僕は書斎を借りて伯母さんに詳しい事情を伝えるために手紙を書くよ。ハビエルの言った通り、早馬ならば今夜の滞在する宿に追い付いて返信ももらえるだろう。それに、彼が婿に来るなら、伯父さんも伯母さんも、多少の無理は認めるだろうからね」
私の父母は彼が縁談相手だと聞けば、喜んでくれるだろう。
いくら、王族から結婚相手候補と呼ばれてはいても、結局のところ明確に婚約をしていないのだから、縁談を進めること自体は何も言われる筈もない。
……だから、マチルダ様は細心の注意を払って、他の女性が近づかないようにしていたのね。
「けれど、私は……ハビエル様の邸に滞在なんてしてしまうと、彼以外とは結婚出来なくならないかしら?」
まだ婚約者でもないのに、男性の邸に住むなんてと、ふしだらな関係を疑われてもおかしくはない。
「ならないね」
エリアスは自信満々の笑顔で、私の不安を否定をした。
「どうして? 短期間と言えど、同じ屋根の下で過ごす事になるのよ?」
普通に考えるならばそうなるだろうと不思議に思った私へ、エリアスは肩をすくめた。
私の父母は彼が縁談相手だと聞けば、喜んでくれるだろう。
いくら、王族から結婚相手候補と呼ばれてはいても、結局のところ明確に婚約をしていないのだから、縁談を進めること自体は何も言われる筈もない。
……だから、マチルダ様は細心の注意を払って、他の女性が近づかないようにしていたのね。
「けれど、私は……ハビエル様の邸に滞在なんてしてしまうと、彼以外とは結婚出来なくならないかしら?」
まだ婚約者でもないのに、男性の邸に住むなんてと、ふしだらな関係を疑われてもおかしくはない。
「ならないね」
エリアスは自信満々の笑顔で、私の不安を否定をした。
「どうして? 短期間と言えど、同じ屋根の下で過ごす事になるのよ?」
普通に考えるならばそうなるだろうと不思議に思った私へ、エリアスは肩をすくめた。



