「……ああ。とはいっても、知人に頼み込んで、なんとか紹介してもらった数人なんだが……俺はあまり女性に好かれないようで、夜会でダンスに誘っても断られてしまう。だから、シャーロットのような子は絶対に逃がしたくないんだ」

 実はその逆で、女性にモテ過ぎ注意な危険な男性なんだけど、本人は知る由もない……本人だけは、何も知らない。

「わかりました。確かに身の安全の確保は、最優先ですね……わかりました。シャーロットの件については、伯母に僕が早馬で手紙を。伯母の返信にもよりますが、シャーロットはハビエルの邸に居た方が、良いように僕は思います」

 それって、何か盛られたり、誰かに襲われたりという危機を避けるためですよね……? 怖すぎるんだけど?

「話がわかるエリアスが、ここに居てくれて良かった……それでは、一度俺は帰ることにする。実は仕事も途中なんだ。シャーロット。また、手紙を送る」

 ハビエル様が立ち上がったので、私は慌てて立ち、彼は当たり前のように私の手を取った。

 胸がドキンと高鳴った。そして、彼は騎士らしく私の手の甲に敬愛のキスをして、目を合わせて微笑んだ。