「立ち話も何なので、とりあえず……座りましょうか」

 それも、そうだった。

 こういう場は挨拶と握手を終えたら、そろそろ席に座りましょうかと、なる流れだけれど……ハビエル様の鬼気迫る勢いに呑まれているところだったわ。

 ……なんだか、状況証拠だけで私の予想でしかないけれど、ハビエル様はマチルダ様に幼い頃から囲まれて、他の女性が近付こうとしたら、すぐに阻害されてしまっていたのかもしれない。

 マチルダ様がハビエル様に縁談を持ち込まないのは、かなり不思議だ。けれど、見た目からして物凄くプライドの高そうなお姫様だから、自分からではなくハビエル様から言って欲しいのかもしれない……。

 そして、ハビエル様はマチルダ様の恋心に、一切気が付くことはなく……ここまで来てしまった……そんな感じよね。

 私がエリアスの隣へと腰掛けたら、ハビエル様は衝撃を受けたかのような表情になっていた。

 なっ……何!?

「シャーロット。君は俺の隣では……?」

 そっ、そうか。私一応彼に求婚をして(されて?)頷いているということになっているのだった。そうなれば、彼の隣に座る方が適当なのかもしれない。