「ああ。シャーロット。そうだったのか。バタンデール卿……どうか、俺のことはハビエルと。近い将来、親戚となるのだから」

 ハビエル様は私へと気遣わしげな視線を送り、隣に居たエリアスには握手を求めて二人で礼をしていた。

 近いうちに……けけけ、結婚することが、決定してますよね!? 止めて! 私たち出会ってから二日しか経ってないのよ!

 私はどうしても笑顔が引き攣ってしまった……いえ。大丈夫。私には心強い従兄弟エリアスが、すぐ隣に居るのよ。

 私が言いたいことを、余すところなく代弁してくれるはずなんだから……!

「では、僕のことはエリアスとお呼びください。シャーロットから、ハビエルとのあらましは大体聞いておりますので」

「ああ……シャーロットは体調が悪いようだが、横になっていなくても良いのか?」

 ハビエル様は私を見たけれど、黙ったままで首を横に勢い良く振った。

 エリアスとハビエル様が私のことについて話をしているというのに、ゆっくりと眠っている場合じゃないですよね!?

「実はすぐ前にハビエルからの手紙に返信を、行き違いになったようですが……」