それを聞いた時、エリアスはなんとも言えない表情になってから、苦笑いを浮かべた。
「はああ。それはそれは、聞きしに勝る凄い男だな……いや、僕が思っていた方向性とは、少しだけ違う方向性のようだが」
「ええ。けれど、これまでに令嬢たちに声を掛けたり縁談を持ち込んでも断られるだけで、私を逃したら結婚相手が居なくなるとでも思って居たのではないかしら?」
私はそれは可哀想だと思ってしまう。本人の知らぬところで忖度されて、マチルダ姫以外と結婚出来ないように囲まれてしまっていたのだから。
「それは、確かにそうだろう。マチルダ姫のクラレットへの執着は酷いものだったからな。誰もクラレットに話し掛けられないところに、偶然シャーロットが情熱的な挨拶をしてしまい……」
「エリアス……私を揶揄おうとするのは、止めてよ」
わざとらしい色気ある流し目をしたエリアスに、私は嫌な顔をした。
「はああ。それはそれは、聞きしに勝る凄い男だな……いや、僕が思っていた方向性とは、少しだけ違う方向性のようだが」
「ええ。けれど、これまでに令嬢たちに声を掛けたり縁談を持ち込んでも断られるだけで、私を逃したら結婚相手が居なくなるとでも思って居たのではないかしら?」
私はそれは可哀想だと思ってしまう。本人の知らぬところで忖度されて、マチルダ姫以外と結婚出来ないように囲まれてしまっていたのだから。
「それは、確かにそうだろう。マチルダ姫のクラレットへの執着は酷いものだったからな。誰もクラレットに話し掛けられないところに、偶然シャーロットが情熱的な挨拶をしてしまい……」
「エリアス……私を揶揄おうとするのは、止めてよ」
わざとらしい色気ある流し目をしたエリアスに、私は嫌な顔をした。



