「そうしたら、私……色々と言いたいことが言えなくて、結果的に『今夜は帰りたくない』って、ハビエル様に聞こえてしまったらしくて……」
「はあああ……とんでもなく情熱的な発言の、初対面になった訳だな……それで?」
頭を抱える仕草をしたエリアスは、大きくため息をついて、私の方に視線を向けた。
「そうしたら、クラレット様が私の手を取って……」
「は? それは、大丈夫なのか……って、もしそうなら、こんなに平静でもないか。それで?」
それは貞操の危機にも思えるけど、不埒な事をするような男性ではなかったので、私は無事だった。
「歩くのが遅いって抱きかかえられて、王族や高位貴族たちが歓談する部屋に入って、すぐに『この令嬢と結婚します!』って、宣言されたの!!!」
「……はあ?」
エリアスはこれまでの冷静な様子を脱ぎ捨てるように、目を大きく見開き驚いていた。
「信じられないわよね……けど、本当なの! そこにマチルダ様も居て……私、殺されるかもしれない」
あの時の事を思い出して泣きそうになった私に、エリアスはもう一度大きく息をついて天井を見上げてから向き直った。
「はあああ……とんでもなく情熱的な発言の、初対面になった訳だな……それで?」
頭を抱える仕草をしたエリアスは、大きくため息をついて、私の方に視線を向けた。
「そうしたら、クラレット様が私の手を取って……」
「は? それは、大丈夫なのか……って、もしそうなら、こんなに平静でもないか。それで?」
それは貞操の危機にも思えるけど、不埒な事をするような男性ではなかったので、私は無事だった。
「歩くのが遅いって抱きかかえられて、王族や高位貴族たちが歓談する部屋に入って、すぐに『この令嬢と結婚します!』って、宣言されたの!!!」
「……はあ?」
エリアスはこれまでの冷静な様子を脱ぎ捨てるように、目を大きく見開き驚いていた。
「信じられないわよね……けど、本当なの! そこにマチルダ様も居て……私、殺されるかもしれない」
あの時の事を思い出して泣きそうになった私に、エリアスはもう一度大きく息をついて天井を見上げてから向き直った。



