「星、綺麗だな」

 すぐ横を見れば私の隣に寝そべるハビエル様の整った顔、なんだかすごく嬉しそうだし楽しそう。やっぱり、マチルダ様に邪魔され続けて……女性は、彼に近付かないままだったのかな。

「……はい」

 私が彼の言葉に同意すれば浮かべた無邪気な笑顔だって、なんだか可愛いし、それとなく大きな手を繋いでくれているのも嬉しい。

 星空見上げて二人で眠るって、ロマンチックだし……失礼かもしれないけど、恋愛に対し異常に夢を見ていそう。あしらうなんて考えても居なさそうで、なんだか、本当に女性慣れはしてなさそう。

 もしかしなくても……ハビエル様って、自分が若い女性たちにとてもモテてるとか、全然気がついてなさそう。

 あんなにわかりやすいマチルダ様の好意にも、鈍感過ぎてまったく気が付いなかったようだし……それも、マチルダ様が目を光らせていて、仕方ないのかな……。

 まぁ……な、なんとかなるよ……ね?

 ハビエル様だって、騎士団長で、お強いだろうし……私の事を、守ってくれるはず。

 多分……きっと……大丈夫……なはずだから。

 ……うん。

 特上の結婚相手を意図せず捕まえてしまったことで、発生してしまった心配事は、明日以降の私に全部任せて、とりあえず今は目を閉じることにした。