「なっ……なんだか、この二週間くらいの間に、シャーロットったら、色々あったのね~!」

 色々とあってから、友人イザベラを現在住んでいるハビエル様のお邸(将来的にはアヴェルラーク伯爵邸にするらしい)へ招き、あの夜……ハビエル様を石像に見立てて、会話の練習をしてみたら? と、私へ言提案してくれた彼女は感心したように何度か頷いた。

 彼女が評した通りこのところ色々ありすぎた私は、喋りすぎて何度かお茶をお代わりした。

 明るい性格のイザベラは本当に聞き上手だし適切な相づちを打ってくれて、彼女と付き合う男性は楽しいだろうなと思う。

 ……なんだか、彼女と話していると、不思議な気分になってしまう。

 イザベラとあの時に私が異性に対し口下手になってしまうという悩みを話していなければ、私はハビエル様と話すことなんてなく、違う男性と今は過ごして居たかもしれないもの。

 恋を叶えてくれた天使のような存在と言えるのかもしれない。

「そうなのよ。それに、あれがあってすぐに、まさかマチルダ様がすぐに異国へとお輿入れの話を受け入れるなんて、まったく思っても居なかったし……」

 なんとびっくり、剣で私と勝負をして敗することとなったマチルダ様は、以前から打診があったという異国へお輿入れの話を前向きに進めるため、縁談相手との顔合わせへと向かわれた。

 これまでは頑なに縁談を断られていたそうだけれど、ずっと好きだったハビエル様は、私との婚約を早急に進めようとされているし、彼女の高すぎるプライドは私との約束を無視することは出来ないのだろう。

 そういう態度は潔いと思うし、私だって彼女に敬意を払いたい。