空手で構えたままで、呆然としているマチルダ様。私は荒い息をつきながら、体勢を整えて剣をもう一度両手で固く握り構え直した。
……激しい戦場を何度も潜り抜けた母からは、勝利を確信したとしても敵が戦闘不能となるまでは、決して気を緩めるなと教わっているからだ。
「……そこまで! 勝負あり!」
ヒューバート様の声が響き、ホッと息をついた私は剣を納めて、胸に拳を当てて礼をした。
これは、|王族に対する最高礼(カーテシー)ではなく、対戦した相手への敬意を示す礼だった。
……激しい戦場を何度も潜り抜けた母からは、勝利を確信したとしても敵が戦闘不能となるまでは、決して気を緩めるなと教わっているからだ。
「……そこまで! 勝負あり!」
ヒューバート様の声が響き、ホッと息をついた私は剣を納めて、胸に拳を当てて礼をした。
これは、|王族に対する最高礼(カーテシー)ではなく、対戦した相手への敬意を示す礼だった。



