つまり、ハビエル様に『王家の影』が張り付いていることは、他の王族は何も知らない。他の王族の『王家の影』は知ってはいるけれど、聞かれないと答えない。そういう事だった。
ハビエル様本人がそれに勘付いているけれど、報告しなかったのは、彼女の好意に『気がついていない』筈だからだ。
「ふんっ……貴女が私より何かひとつでも、上の存在であると認められたら、ハビエルお兄様のことを諦めるわ!」
腕を組み不機嫌そうに鼻を鳴らしたマチルダ様は、悔し紛れにそう言った。
「ええ。それでは、受けて立ちますわ!」
待ってました……と、言ってはおかしいけれど、私の思った通りに話は進んでくれた。
好意を好きな人に伝えることすら出来ないほどに、プライドが高いマチルダ様は、公衆の面前で約束したことは必ず守るはずだわ。
私にとっては、この展開が一番に、理想だったのだ。
「それでは、剣で!」
「剣……ですって!?」
まさかの勝負方法の選択を聞いて、驚きに目を見張ったマチルダ様に、私はにっこりと微笑んで頷いた。
ハビエル様本人がそれに勘付いているけれど、報告しなかったのは、彼女の好意に『気がついていない』筈だからだ。
「ふんっ……貴女が私より何かひとつでも、上の存在であると認められたら、ハビエルお兄様のことを諦めるわ!」
腕を組み不機嫌そうに鼻を鳴らしたマチルダ様は、悔し紛れにそう言った。
「ええ。それでは、受けて立ちますわ!」
待ってました……と、言ってはおかしいけれど、私の思った通りに話は進んでくれた。
好意を好きな人に伝えることすら出来ないほどに、プライドが高いマチルダ様は、公衆の面前で約束したことは必ず守るはずだわ。
私にとっては、この展開が一番に、理想だったのだ。
「それでは、剣で!」
「剣……ですって!?」
まさかの勝負方法の選択を聞いて、驚きに目を見張ったマチルダ様に、私はにっこりと微笑んで頷いた。



