「これまで一緒に戦ってきたパートナーを、守ってやりたいという理由じゃダメか?」
意外な言葉が耳に飛び込んできて、私は驚いて彼を見やった。
〝一緒に戦ってきた〟……今までの努力が報われるひと言に、胸が熱くなる。
「俺自身の力で事業を成し遂げてきたのは間違いないが、それは君の完璧なサポートがあったからこそだと思っている。感謝しているんだ。……助けられたのは仕事だけじゃないしな」
どことなく優しい目をしてひとり言のように呟かれた最後の言葉が、感激しつつも気にかかった。
仕事以外で私がなにかしてあげられたことがあったっけ。秘書としてこの上なく嬉しい言葉ばかりもらい、舞い上がりそうになってしまっている今、すぐには思いつかない。
「お互いに望まない結婚を強いられている状況だし、手を組んだらその煩わしい問題はなくなるだろう。俺たちが一緒になれば、きっとすべてうまくいく」
……なんて前向きなの、この人は。頼もしい笑みを浮かべる彼に、心がぐらぐらと動かされる。
私たちが結婚すればお互いのメリットになる。けれど、だからって簡単には承諾できない。
意外な言葉が耳に飛び込んできて、私は驚いて彼を見やった。
〝一緒に戦ってきた〟……今までの努力が報われるひと言に、胸が熱くなる。
「俺自身の力で事業を成し遂げてきたのは間違いないが、それは君の完璧なサポートがあったからこそだと思っている。感謝しているんだ。……助けられたのは仕事だけじゃないしな」
どことなく優しい目をしてひとり言のように呟かれた最後の言葉が、感激しつつも気にかかった。
仕事以外で私がなにかしてあげられたことがあったっけ。秘書としてこの上なく嬉しい言葉ばかりもらい、舞い上がりそうになってしまっている今、すぐには思いつかない。
「お互いに望まない結婚を強いられている状況だし、手を組んだらその煩わしい問題はなくなるだろう。俺たちが一緒になれば、きっとすべてうまくいく」
……なんて前向きなの、この人は。頼もしい笑みを浮かべる彼に、心がぐらぐらと動かされる。
私たちが結婚すればお互いのメリットになる。けれど、だからって簡単には承諾できない。



