「牧原となら結婚してもいいと思ってね。君の仕事ぶりを見ていれば、公私共に信頼できると信じられるし、一緒にいて心地いい。プライベートでもうまくやれそうな気がする」
もったいなさすぎるお言葉をもらえて胸が震える。
この副社長様に信頼してもらえていた……! しかも心地いいって! そう感じていたのは私だけじゃなかったんだ……。
って、今は感動している場合ではない。胸の前で手を組みそうになったのもつかの間、表情を強張らせて彼に詰め寄る。
「あの、とっても光栄なのですが待ってください。副社長には婚約者がいるじゃありませんか!」
「婚約者?」
「『睦建設』のご令嬢でしょう!? 秘書課でも有名ですよ」
先ほどは飲み込んだけれど、もう言わずにはいられない。
彼のお相手は、スーパーゼネコンである総合建設会社の社長の娘だ。わが社の大事な取引相手なので、社長とは私も何度か商談でお会いしている。
ご令嬢も、副社長と一緒にいるところを過去に目撃した。とても綺麗で清楚な人で、容姿も家柄も彼に相応しいと誰もが認めるだろう。
そんな婚約者がいるのに私に結婚を持ちかけるって、いくら副社長でもアウトでしょう!
と、お説教しそうになったものの、彼は呆れたような顔で脱力する。
もったいなさすぎるお言葉をもらえて胸が震える。
この副社長様に信頼してもらえていた……! しかも心地いいって! そう感じていたのは私だけじゃなかったんだ……。
って、今は感動している場合ではない。胸の前で手を組みそうになったのもつかの間、表情を強張らせて彼に詰め寄る。
「あの、とっても光栄なのですが待ってください。副社長には婚約者がいるじゃありませんか!」
「婚約者?」
「『睦建設』のご令嬢でしょう!? 秘書課でも有名ですよ」
先ほどは飲み込んだけれど、もう言わずにはいられない。
彼のお相手は、スーパーゼネコンである総合建設会社の社長の娘だ。わが社の大事な取引相手なので、社長とは私も何度か商談でお会いしている。
ご令嬢も、副社長と一緒にいるところを過去に目撃した。とても綺麗で清楚な人で、容姿も家柄も彼に相応しいと誰もが認めるだろう。
そんな婚約者がいるのに私に結婚を持ちかけるって、いくら副社長でもアウトでしょう!
と、お説教しそうになったものの、彼は呆れたような顔で脱力する。



